2009年3月31日火曜日

一つの発明からより多くの発明を引き出す方法

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、一つの発明からより多くの発明を引き出す方法の話です。

遅ればせながら、勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践を読みました。

この本の135ページで紹介されたSCAMPERというフレームワークを使うことで、一つの発明からより多くの発明を引き出すことができそうです。

SCAMPERとは、

 1.Substitute 代用してみたら?
 2.Combine 結合してみたら?
 3.Adapt 応用してみたら?
 4.Modify 変更してみたら?
 5.Put 置き換えてみたら?
 6.Eliminate 減らしてみたら?
 7.Reorder 逆転してみたら?

というフレームワークです。

これを発明に適用すると、

 1.Substitute 構成要件の一部を他のもので代用してみたら?
 2.Combine 他の発明と結合してみたら?
 3.Adapt 他の技術分野に応用してみたら?
 4.Modify 条件の一部を変更してみたら?
 5.Put 構成要件の一部の位置を置き換えてみたら?
 6.Eliminate 構成要件の一部を減らしてみたら?
 7.Reorder 構成要件の順序を逆転してみたら?

となると思います。

こうして一つの発明から多くの発明を引き出し、経済性や実現可能性などの条件で特許出願する発明を絞ることで、より効果的な権利形成が図れると思います。

お読み頂きありがとうございました。

2009年3月29日日曜日

組織の健康診断

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、組織の健康診断』の話です。

昨日、LCB研究会主催で行われた第二回「組織行動と組織の健全性診断システム」のシンポジウムに参加してきました。

このシンポジウムは、医療機関に対して、「組織行動と組織の健全性診断システム」を適用しようという内容でした。

また、医師やコメディカルとのコミュニケーション上の失敗、疲労による失敗、退職率が高く技術が継承されないことによる失敗など医療機関で起きがちな失敗事例なども話されていました。

この事例の医師を弁理士と置き換えて話を聞いてみると、とても参考になり、自分の事務所も頑張らねばと勉強になりました。

なお、第一回目のシンポジウムの内容のリンクです。

↑「組織行動と組織の健全性診断システム」のフレームワークが掲載されています。

ぜひ皆さんも自分の組織の健全性を診断してみてください。

お読み頂きありがとうございました。

2009年3月28日土曜日

to restrict or not to restrict that is the question?

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

みなさんは、Die Hardという映画をご存知ですか?

ブルース・ウィリス主演のアクション映画で、名作のひとつだと思っています。

たぶん、ご存知ですよね。

では、Guyz Niteというバンドはご存知ですか?

自分も今日RCLIP研究会に行くまで知らなかったのですが、このGuyz NiteというバンドがDie Hardの画像を利用して、プロモーションビデオ(PV)を作り、youtubeにアップしました。

このPVに数百万のアクセスがありました。

20世紀フォックス社の法務部は、この事態に気づき、著作権侵害としてyoutubeに削除を依頼しました。

このPVが削除されたことに気づいた20世紀フォックス社の営業部は、逆にyoutubeに再度アップを依頼したそうです。

このPVが広告代わりとして有効だからです。

自分も見ましたが、内容もDie Hardに対して愛があり、Die Hardを久しぶりに見たくなりました

今回のPVは、法的な観点では、著作権侵害という判断になりますし、営業的な観点ではプロモーションになります。

同じ会社でも立場が変われば、見方が変わります。

著作物の二次創作を制限すべきか、制限しないべきか難しい問題です。

お読み頂きありがとうございました。

2009年3月27日金曜日

携帯電話を紛失しました。

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

昨日、携帯電話を紛失しました。

このため、誠に申し訳ございませんが、昨日より携帯電話へ繋がらなくなっております。

明日、新しい携帯電話が届きますので、それまでご迷惑をおかけしますが、お許しください。

携帯電話に子どもの写真などが記憶されていただけにショックでした。。。

2009年3月25日水曜日

産業構造の変化

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、産業構造の変化の話です。

本日、日本経済の勝ち方 太陽エネルギー革命 (文春新書)という本を読みました。

乱暴ではありますが、この本を要約すると、太陽光発電をして、電気自動車を使おう!という内容で、太陽光発電や、電気自動車の分野の将来性と著者のこの分野への期待が伝わってきます。

また、環境問題、特に、CO2排出や、代替エネルギーに興味があるけど、知識があまりない自分のような人にはお勧めの本です。

しかし、自分にとって一番勉強になったのは、著者の意図からはずれ、現在のガソリン自動車は、インテグラル(すり合わせ)型の製品ですが、電気自動車は、モジュラー型の製品になると書かれていたことでした。

モジュラー型の製品では、自社の技術と、保有している特許権とを技術標準に入れることが重要になってきます。

自動車産業の変化は、様々な産業に波及すると思うので、今後、技術標準化を意図した特許出願がより重要になってくるでしょう。

お読み頂きありがとうございました。

2009年3月24日火曜日

一般でいう発明と、特許法の発明とは異なる!

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、一般でいう発明と、特許法の発明とは異なるという話です。

あるメーリングリストに、メールのやりとりを活発にする、すばらしい仕組みがあります。

たまたま、今日のメーリングリストに「○○さんの考えたこの仕組みは素晴らしい発明ですね。」というメールがありました。

このように、一般的に「発明」という言葉は、新しいアイデアや考えという意味で使われることが多く、スーパー大辞林にも「それまで世になかった新しいものを、考え出したり作り出したりすること。」と定義されています。

ところが、特許法でいう「発明」は、これよりも狭いものです。

このため、一般的な意味では良い「発明」ですが、特許法での保護の対象にならないアイデアもあります。

特許法で保護され得る「発明」は、「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なもの」です。

これに該当しないものは特許法で保護されません。

例えば、先ほどのメーリングリストの仕組みは、自然法則も利用していませんし、技術的思想でもないので、特許にはなりません。

この定義のため、保護できない良いアイデアがあるため、最近、発明の定義の見直しがなされているそうです。

お読み頂きありがとうございました。

技術の移転と特許権の移転

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、技術の移転と特許権の移転の話です。

実は、技術の移転と、特許権の移転は異なります。

同じことと思われている方も多いと思いますが、厳密に言えば別の物です。

例えば、A社からB社への技術の移転は、B社がA社から技術を学んで、何かを実際にできるようにするということです。

つまり、技術移転を受ける側からすれば、技術の移転は、自社がその技術を使う能力を得るための契約です。

一方、A社からB社への特許権の移転は、権限なき第三者が特許発明を実施することを禁ずる権利が移転されることになります。

つまり、特許権の移転を受ける側からすれば、他人が法的にその技術を使えなくするための契約です。

このため、技術移転を受けたからって、他人が真似することを防ぐことはできませんし、特許権の移転を受けたからって、自社がその技術を使う能力を得るわけではありません。

この違いを注意されるといいと思います。

お読み頂きありがとうございました。

2009年3月22日日曜日

オープンイノベーションの情報サイト

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、オープンイノベーションの情報サイトの話です。

UC BerkeleyのCenter for Open Innovationに最近のオープンイノベーションの情報が掲載されています。

色々な情報が載っていて、勉強になります。

例えば、このサイトからリンクされているBusiness weekのMicrosoft社の事例は、製品(技術)のライフサイクルにおけるIP管理の参考になりました。

お読み頂きありがとうございました。

2009年3月19日木曜日

久しぶりのエントリーです。

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

最近色々とあってブログの更新が滞ってしまいました。
申し訳ございませんでした。

先週の水曜日に、応援してるベンチャーさんが、ビジネスプランコンテストで入賞して喜んでいたら、風邪をひいてしまいました。

そこで、ここ数日間は、仕事が終わるとなるべく早めに寝るようにしていました。

だいぶ体調が良くなってきたので、ぼちぼちブログの更新も再開していきたいと思っています。

お読み頂きありがとうございました。

2009年3月11日水曜日

投資を呼び込む前に気を付ける話

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、投資を呼び込む前に気を付ける話です。

起業家の皆さんは、VCや、投資家に事業プランを説明する機会が多いと思います。

その前に知財保護をしていますか?

例えば、新技術を使った新商品を開発するために、資金需要があるとします。
そのために、事業計画書などを書いて、プレゼンをします。

手の内を明かさないといけないと思い。
自社の技術を守秘義務も結ばずに開示してしまう起業家のかたも多いようです。

特にコアとなる技術は、先に特許権などで保護しないと、技術だけ盗まれて、何も残らないという可能性があります。

お読み頂きありがとうございました。

2009年3月6日金曜日

商標のライセンスは、信用を貸す!

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、商標のライセンスは、信用を貸す!という話です。

商標のライセンスと、特許のライセンスとは多少趣が異なります。

特許のライセンスは、特許権、つまり技術のライセンスです。

一方、商標のライセンスは、商標権のライセンスです。

何、当たり前のことを言っているんだ。と思われる方も多いと思います。

しかし、商標権は、マークに付いた信用を保護する権利です。

つまり、マークに付いた信用をライセンスするわけですから、下手にライセンスすると、信用を失う場合があります。

先日、元キャノンの丸島先生と飲んでいるときに聞いた話ですが、アメリカのA社がライフルの薬きょうメーカのB社に商標権をライセンスしました。

ところが、メーカBの薬きょうの品質が悪く、暴発するという事件がおこりました。

そして、その事件の責任を取らされたのがA社でした。

商標のライセンスを行うときには、信用を貸していることを念頭において、ご注意くださいね。

お読み頂きありがとうございました。

2009年3月3日火曜日

ATL(成人T細胞白血病)って知ってますか?

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、ATL(成人T細胞白血病)の話です。

先週末、鹿児島に行き、ATL(成人T細胞白血病)のシンポジウムに参加しました。

ATLは、HTLV(Human T-lymphotropic Virus)によって引き起こされる癌です。

また、HTLVは、歩行障害や感覚障害などを起こすHAM(HTLV-Ⅰ associated myelopathy)を引き起こします(HAMは難病指定を受けています)。

九州や沖縄の方にHTLVのキャリアが多く、一部の県では10%から15%の方がキャリアです。

そして、日本全体で150万人ぐらいのキャリアがいると言われています。

キャリアのうち5%が、発症すると言われています。

このHTLVの主な感染経路は、性感染や、母子感染です。

このため、母子間の感染を防ぐため、授乳を短期間にしたり、人口乳を与えたりして新生児を育てるといった方法がとられることもあります。

自分は、大学院で母子保健学を勉強してきたので、母子感染症の話はどうも気になります。

さて、知財の話をすれば、今は、大学や、国等の公的機関が中心となって研究しています。研究の結果、ある種のお茶などが発症率を下げるらしいので、それに関する特許が出されているそうです。

ただ、先進国では、患者が多いのが日本だけなので、他の先進国市場を狙いにくいためか、あまり大企業の参入がないようです。

しかし、日本の国民の約1%がキャリアですので、発症を抑える薬などは、定期的に一定規模、販売できる商品になると思います。

実力のある企業さんの開発した製品によって、ATLやHAMの患者さんの数が減ったり、患者さんの人生が改善される。そんな世の中になることを祈っています。

参考:患者さんの団体 スマイルリボン

お読み頂きありがとうございました。

2009年3月2日月曜日

(R)マークをつける前に気をつけること

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、(R)マークをつける前に気を付けることの話です。

先日、異業種交流会に誘われて行きました。

その交流会のコーディネータから頂いた交流会の名刺のロゴに(R)マークがついていました。

「お、こちらの交流会は、商標登録されているんですね。」

「いや~。実はしていないんですよ。」

「それって、まずいですよ~。」

「え。箔がつきそうだと思ってやったんですけど。まずかったんですか。」

実は、登録商標以外の商標の使用をする場合に、その商標に商標登録表示やこれと紛らわしい表示をする行為は商標法で禁止されています(商標法74条)。

これに違反すると、虚偽表示として、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金となります(商標法80条)。

皆さんも(R)マークをつける前に、きちんと登録するように気をつけてくださいね。

お読み頂きありがとうございました。