こんにちは、
プロシード国際特許商標事務所弁理士の鈴木康介です。
今日は、珍しく特許の話で、いわゆるプロダクト・バイ・プロセス・クレームの話です。
新聞を読んでいたら、プロダクト・バイ・プロセス・クレームの大合議判決が出たという記事を見ました。
このプロダクト・バイ・プロセス・クレームは、昔から色々と議論がありました。
何故かと言いますと、そもそも特許権の権利範囲は、請求項に文章でどのような権利か特定する必要があります。
つまり、特許権の権利範囲は、請求項に文章で表現しないといけないのです。また、特許権の権利範囲は、請求項に書かれた構成要件全てを備えているものになります。
そして、発明は、物、方法、物を生産する方法の3つのカテゴリーに分かれているので、それぞれのカテゴリーにあった表現方法があります。例えば、物の発明は、構造や特性で表現して、特定します。
ところが、物の発明の一部では、そのような表現方法で特定することが難しいので、製造方法で発明を特定することがあります。
これが、いわゆるプロダクト・バイ・プロセス・クレームです。
このプロダクト・バイ・プロセス・クレームの権利範囲が、その製造方法で製造された物だけに対する権利範囲なのか、それとも、その物に対する権利範囲なのか諸説有りました。
今回の大合議判決は、その論争に対する一つの答えとなります。
「物の構造又は特性により直接的に特定することが出願時において不可能又は困難であるとの事情が存在」するか否かで判断が分かれると、判示されました。
【存在しない場合】
○クレーム解釈では、クレームに記載された製造方法によって製造された物に限定されます。
○特許法104条の3に係る抗弁において,その発明の要旨は,クレームに記載された製造方法により製造された物に限定して認定されます。
知財高裁の要旨へのリンクです。
平成22年(ネ)第10043号 特許権侵害差止請求控訴事件要旨
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2012年1月29日日曜日
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