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2012年1月29日日曜日

プロダクト・バイ・プロセス・クレームの大合議事件

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所弁理士の鈴木康介です。

今日は、珍しく特許の話で、いわゆるプロダクト・バイ・プロセス・クレームの話です。

新聞を読んでいたら、プロダクト・バイ・プロセス・クレームの大合議判決が出たという記事を見ました。

このプロダクト・バイ・プロセス・クレームは、昔から色々と議論がありました。

何故かと言いますと、そもそも特許権の権利範囲は、請求項に文章でどのような権利か特定する必要があります。

つまり、特許権の権利範囲は、請求項に文章で表現しないといけないのです。また、特許権の権利範囲は、請求項に書かれた構成要件全てを備えているものになります。

そして、発明は、物、方法、物を生産する方法の3つのカテゴリーに分かれているので、それぞれのカテゴリーにあった表現方法があります。例えば、物の発明は、構造や特性で表現して、特定します。

ところが、物の発明の一部では、そのような表現方法で特定することが難しいので、製造方法で発明を特定することがあります。

これが、いわゆるプロダクト・バイ・プロセス・クレームです。

このプロダクト・バイ・プロセス・クレームの権利範囲が、その製造方法で製造された物だけに対する権利範囲なのか、それとも、その物に対する権利範囲なのか諸説有りました。

今回の大合議判決は、その論争に対する一つの答えとなります。

「物の構造又は特性により直接的に特定することが出願時において不可能又は困難であるとの事情が存在」するか否かで判断が分かれると、判示されました。

【存在しない場合】

 ○クレーム解釈では、クレームに記載された製造方法によって製造された物に限定されます。

 ○特許法104条の3に係る抗弁において,その発明の要旨は,クレームに記載された製造方法により製造された物に限定して認定されます。

知財高裁の要旨へのリンクです。
平成22年(ネ)第10043号 特許権侵害差止請求控訴事件要旨

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2011年2月16日水曜日

中国では、無効審判請求の禁止条項はだめ?

こんにちは、 あとで読む
プロシード国際特許商標事務所弁理士の鈴木康介です。
今日は、中国では、無効審判請求の禁止条項はだめという話です。

技術をライセンスした場合、ライセンシーから無効審判を受けたくないですよね。

そこで、契約条項に無効審判の禁止規定を盛り込もうと思っても、中国ではその規定は認められません。

実は、技術の受け入れ側に対して、契約の目的となる技術の知的財産権の有効性に関する異議申し立てを禁止したり、異議申し立てに条件を付けた場合(10条(6))※1は、違法に技術を独占し、技術の進歩を阻害し、または他人の技術成果を侵害する技術契約となり、無効となります(契約法第329条)※2※3

それ以外にも中国で技術系の契約をする場合には、様々な規定があるので、ご注意下さい。



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<参考>

※1  中華人民共和国契約(抄録) 原文 仮訳 

※2 最高人民法院による技術契約紛争事件審理の法律適用における若干問題に関する解釈 原文 仮訳(JETRO)

※3 ここの「異議」は商標法や特許法での「異議申立制度」ではなく、広範的に無効や訴訟などの反対意見・措置を指します。
なお、中国専利法は1984年より始めて施行され、1992年、2000年、2008年の三回の改正をしています。。84年の旧法に特許権付与前の異議申立制度が規定されていました。
しかし、92年の第一回改正でこの制度が無くなり、特許公報刊行日の6ヶ月以内に取消申請を請求できるという取消制度(Cancellation)が導入されました。
取消制度実施後の数年間、取消制度はほぼ無効審判と同様に機能しており、審査手続きを簡素化させるため、2000年の第二回の改正で取消制度を廃止しました。
このため、現行専利法では、異議申立制度はなく、無効審判しかありません。

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2011年2月12日土曜日

中国、情報分野の特許出願数 110万件超に(人民日報もあてにならない。。。)

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所弁理士の鈴木康介です。

今日は、「中国、情報分野の特許出願数 110万件超に」(人民日報もあてにならない。。。)という話です。

2月12日、人民日報日本語版に「中国、情報分野の特許出願数 110万件超」という記事が掲載されていました。

昨年の日本の特許出願が、約30万件なので、あれ?っと思いますよね。

そこで、SIPO(中国国家知识产权局)の专利统计简报2011年01期などを見てみました。

专利统计简报2011年01期には、「2010年では、SIPO受理した発明・実用新案・意匠の出願が約122.2万件あり、25.1%上昇した。その中で、国内申請が、110.9万件で、90.8%、国外申請が、11.3万件で、9.2%を占める。」※1と書かれていました。

また、出願件数の詳細を見ると以下のようになっていました。


国内外三种专利申请受理状况年表より

これからもわかるように、110万件という数は、専利の出願件数全体だったようです。

知的財産権は、専門性が高いので、人民日報の記事であっても、誤報がある場合があります※2※3。例えば、中国の官公庁の発表などであれば、原文に当たるなどそのまま鵜呑みにせずに、裏をとることが重要だと思います(自戒を込めて)。

お読み頂きありがとうございました。
ご指摘やコメントを頂ければ幸いです。

※1 2010 年,国家知识产权局共受理发明、实用新型和外观设计三种专利申请 122.2 万件,同比增长 25.1%。其中,国内申请 110.9 万件,占总量的 90.8%;国外申请 11.3 万件,占总量的 9.2%(专利统计简报2011年01期)
※2 日本でも、大手新聞の記事が、専門家の間では、間違えてない?と話題になることがあります。
※3 人民日報の原文が入手できなかったので、翻訳時にミスが起きている可能性もあります。



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2011年2月11日金曜日

中国のPCT出願数が世界4位に!

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所弁理士の鈴木康介です。

今日は、中国のPCT出願数が世界4位になった話です。

先日、WIPOのサイトに国別のPCT出願数が掲載されました。

RANKINGCOUNTRY20062007200820092010 ESTIMATE2010 PERCENT2010 GROWTH
1United States of America51,28054,04351,63745,61844,85527.5%-1.7%
2Japan27,02527,74328,76029,80232,15619.7%7.9%
3Germany16,73617,82118,85516,79717,17110.5%2.2%
4China3,9425,4556,1207,90012,3377.6%56.2%
5Republic of Korea5,9457,0647,8998,0359,6865.9%20.5%
6France6,2566,5607,0727,2377,1934.4%-0.6%
7United Kingdom5,0975,5425,4665,0444,8573.0%-3.7%
8Netherlands4,5534,4334,3634,4624,0972.5%-8.2%
9Switzerland3,6213,8333,7993,6713,6112.2%-1.6%
10Sweden3,3363,6554,1373,5673,1521.9%-11.6%
11Canada2,5752,8792,9762,5272,7071.7%7.1%
12Italy2,6982,9462,8832,6522,6321.6%-0.8%
13Finland1,8462,0092,2142,1232,0761.3%-2.2%
14Australia1,9962,0521,9381,7401,7361.1%-0.2%
15Spain1,2041,2971,3901,5641,7251.1%10.3%
All Others11,53112,59513,72512,65912,9097.9%2.0%
Total149,641159,927163,234155,398162,900

WIPOのサイトより

中国の出願件数が、12,337で4位になりました。

同じBRICsでも、ブラジル、ロシア、インドは、ベスト15位に入っていないので、中国が知財に力を入れていることがわかります。

確かに、ZTE CORPORATION※1が、1,863件、HUAWEI TECHNOLOGIES CO., LTD.※2が、1,528件と2社で、出願件数の約27%を占めていますが、この1年で4000件以上、PCT出願が増えているので、中国全体として、PCT出願熱が高まっているようです。

また、韓国のPCT出願件数が20.5%増、日本のPCT出願件数が7.9%増と、東アジア地域のPCT出願件数の躍進が著しいようです。

※1 ZTE(日本語サイト)
※2 huawei(華為技術)(日本語サイト)

お読み頂きありがとうございました。
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