こんにちは、
プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。
今日は、知財屋のための価値評価入門その2(NPV)です。
例えば、ラーメン屋さんと、焼き芋屋さんとのどちらかに起業しよか迷っているとします。
そのとき、どちらを選べばいいんですか?
好きな方!
それはそれで正論ですね。
ただ、別の視点で考えると、それぞれの選択肢の現在価値や、投資効率を考えるという選び方もあります。
つまり、ラーメン屋さんや、焼き芋屋さんで設けられる金額の現在価値の合計や、投資した金額に対する利回りを考えるということです。
[NPVやIRRの計算例]
ラーメン屋さんを開業するのに1500万円かかり、1年目から5年目まで毎年3600万円のフリーキャッシュフロー(利益みたいなもの)が得られるとします。
焼き芋屋さんを開業するのに100万円かかり、1年目から5年目まで毎年600万円のフリーキャッシュフロー(利益みたいなもの)が得られるとします。
お金を調達するための利率である資本コスト(WACC)は7%だとします。
昨日書いたDCF法を利用して、各年の利益を割り引いて、年ごとの利益の現在価値を求めます。
そして、それを合計することでラーメン屋さんと、焼き芋屋さんの現在価値(NPV Net Present Value)が計算できます。
NPVは、以下の計算式で求められます。
n
NPV=Σ (CFn)/(1+r)^n CFnはn年度のキャッシュフロー rは資本コスト
n=1
また、投資した金額に対する利回り(IRR Internal Rate of Return)は、NPVが0になる資本コストを求めることで計算できます。
まあ、いろいろ書いていますが、NPVやIRRは、エクセルの関数のNPVやIRRを使えば簡単に計算できます。
計算すると、ラーメン屋さんのNPVは、¥123,931,876で、IRRは、239%となり、
焼き芋屋さんのNPVは、¥22,057,182で、IRRは、600%となります。
お店全体で得られる利益は、ラーメン屋さんの方が良いですし、利回りを考えると焼き芋屋さんの方がいいです。
このような視点からもどちらを選ぶか選択することができます。
自分だと利回り重視で、きっと焼き芋屋さんを選択します。
知財面の応用としては、NPVやIRRは、複数のプロジェクトから一つのプロジェクトを選択するときや、ライセンス契約をするときの対価を考えるときに使用することが考えられます。
明日は、WACCやCAPMを書こうと思います。
<今日のまとめ>
1.NPVやIRRは、Excel関数にあるので、計算自体は簡単です。
お読み頂きありがとうございました。
2008年12月17日水曜日
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