こんにちは、
プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。
今日は、初心者向けの特許権の抑え方の話です。
ある新人弁理士さんから相談を受けました。
私もある程度この業界で生息しているので、お客さんからだけではなく、知っている新人弁理士さんから質問を受けることがあります。
彼はお客さんから
「請求項1で、ハンドル
請求項6で、車
の権利範囲なんだから、車だけではだめなのですか?」
という質問を受けたようです。
ちなみに、請求項は、特許発明の技術的範囲(簡単に言えば権利の範囲)を定めるもので、とても重要なものです。
確かに、請求項の数が増えると、特許庁に審査請求するための費用や、特許になった後の年金(権利を維持するためのお金)や、弁理士費用が高くなるので一見、無駄な出費に見えるかもしれません。
彼はそんな風にお客さんに言われてしまい。返答に困ったようです。
しかし、いざ権利になったときのことを考えると、話は変わると説明しました。
1.「ハンドル」の権利をとった場合
○メリット:ハンドル自体や、ハンドルを使っている車全てに権利行使がで
きる。
○デメリット:ハンドルに対する権利なので損害賠償請求が認められたとき
の金額が低額になりやすい。
2.「車」の権利をとった場合
○メリット:車に対する権利なので損害賠償請求が認められたときの金額
がハンドルの権利だけのときよりも高額になりやすい。
○デメリット:ハンドル自体の売買に、権利行使をすることが困難である。
このため、我々弁理士は、多様な態様で特許権で抑える権利範囲を考えています。
こんな説明を新人弁理士さんにしたところ、またお客様に説明に行くといっていました。
上手くいくことを祈っています。
がんばれT弁理士!
<今日のまとめ>
1.特許権で発明を守るときには、様々な角度から考えることが必要がある。
2.特許権の侵害者が使用しそうな態様で権利を形成すると有用である。
お読み頂きありがとうございました。
2008年10月17日金曜日
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