こんにちは、
プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。
今日は、外国特許出願の話です。
昨日、日本と海外とでは、特許権が独立しているので、その国ごとに特許権を取らなければならないという話をしました。
では、海外で特許権を取るにはどうすればいいのでしょうか。
基本的には、その取りたい国に特許権取得のための申請(出願)を行う必要があります。
そして、海外で特許権を取るには、取りたい国へ直接出願をする方法、パリ条約の優先権による出願をする方法、PCTによる国際出願をする方法の3種類の方法があります。
1.直接出願
この方法は、特許権を取得したい国(例えば、米国や中国)に直接出願をするというものです。
○メリット
その国に合わせた明細書(申請書類)が作成できる。
他の方法と比べて、必要な書類が少ない。
○デメリット
国が多くなると費用がかさむ傾向にある。
他の方法と比べると、早い者勝ちの世界では不利になりやすい
(優先権制度を使っていないので、現実の出願日として扱われる。)
2.パリ条約の優先権による出願
この方法は、パリ条約の優先権を用いて、特許権を取得したい国(例えば、米国や中国)に出願をするというものです。
○メリット
その国に合わせた明細書(申請書類)が作成できる。
第1国の出願日から1年以内に出願した場合には、第1国の出願日に出願したとして有利な取り扱いを受けられる。
例えば、日本に平成19年12月1日に出願して、平成20年11月13日に中国に出願した場合、中国で平成19年12月1日に出願したとして有利な取り扱いを受けることができる。
○デメリット
国が多くなると費用がかさむ傾向にある。
3.PCTによる出願
この方法は、PCTに基づく国際出願を用いて、PCT加盟国に出願をするというものです。
○メリット
出願の束となるので、一部の書類が共通化されるため、コストが削減できる。
基本的に、全てのPCT加盟国に一回の手続きで出願することができる。
EPCを利用することによって欧州で強力な権利を取りやすい。
意思決定のための期間が長いので、標準化や、マーケットの動向によって柔軟に対応できる。
(詳しく説明すると、一回分のテーマになるので詳細は別途書きます。)
中国などでは補正ができるようになる。
○デメリット
5カ国以下では、コスト高になる傾向にある。
<今日のまとめ>
1.海外で特許を取るには、直接出願、パリ条約の優先権による出願、PCTによる国際出願の3種類の方法があります。
2.それぞれ、メリット・デメリットがあるので、自社の状態に合わせて選択する必要がある。
お読み頂きありがとうございました。
2008年11月14日金曜日
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