こんにちは、
プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。
今日は、「山梨勝沼」の話です。
また、中国で、上海の個人によって「山梨勝沼」という日本の地名商標が出願されているという報道がありました。
それで、横内正明山梨県知事が、今年度中に監視体制の強化を進める考えを明らかにしたそうです。
たぶん、この商標が中国で登録された後に、取消を求めることとなると思います。
ただ、この手続きは平均して3年から4年かかってしまうので、登録後から取り消されるまで「山梨勝沼」というブランド名を山梨県が中国で使いにくくなるでしょう(下手をすると商標権侵害となるので。。。)。
一応、中国の商標法では、「一般に知られた外国地名は,商標とすることができない。」(中国商標法第10条 特許庁のwebsiteより転記)という規定があります。
しかし、中国の出願件数は約60万件あり、一人当たりの審査官の処理件数は、かなりのものですし、審査官の全てが日本の地名に詳しいとは限りません。
このため、日本の地名は今後も登録され続ける可能性がきわめて高いと思います。
それでは、どうすればいいでしょうか?
対策方法としては、以下の2つがあると思います。
1.中国での商標出願を常に監視し、登録されたら取消を求める。
2.中国で先に権利を取る。
1は、一見費用がかからないように見えますが、一回登録されてしまうと、時間と費用がかかります。
2は、最初に費用はかかりますが、登録後は安心していられますし、費用もトータルでは安くなります。
私が相談を受けたなら、2をお勧めします。
また、一部の地方自治体では、積極的に中国に商標を出願する予定であるとの話を聞いています。
なお、JETROのwebsiteにも中国における地名商標の登録問題に対する記事があるので、もしも巻き込まれた場合には、参考にされるといいかも知れません。
お読み頂きありがとうございました。
2008年11月27日木曜日
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