こんにちは、
プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。
今日は、なぜ本家・元祖争いが起きるのかという話です。
お菓子屋さんのAさんは、地元の特産品を有効活用しようと、野菜クッキー作りの研究を数年前に開始しました。
寝る暇も惜しんで日夜研究した結果、地元の特産品を用いた新野菜クッキーが出来上がりました。
だんだん、口コミやネットで新野菜クッキーが売れるようになり、とうとう情報誌などからインタビューが来るようになりました。
最初は、家族だけで店を経営していたAさんでしたが、あまりにも忙しいので、Bさんを雇うことにしました。
Bさんは、熱心な従業員だったので、Aさんは、徐々にBさんに仕事を任せるようになりました。
1年後には、Bさんは、新野菜クッキーの作り方もマスターし、Aさんよりも腕がいいのでは?と言われるようになりました。
さらに、Bさんは、新野菜クッキーの別バージョンの真野菜クッキーも開発し、それもお客様には好評でした。
そんなある日のこと、Bさんが突然辞めてしまいました。
信頼できる戦力のBさんがやめたため、Aさんは軽いショックを受けました。
しかし、話はそれで、終わらなかったのです。
Bさんが、隣町でお菓子屋さんを始めたのです。
そして、Aさんと同じ味の新野菜クッキーと、真野菜クッキーを売り始めたのです。
Bさんの野菜クッキー達によって、Aさんの売上が徐々に下がっていきました。
だんだんとAさんと、Bさんの仲は険悪となり、野菜クッキーの元祖・本家争いが始まりました。
確かに新野菜クッキーを開発したのはAさんでしたが、一番売れている真野菜クッキーはBさんが開発したものです。
このため、なかなか決着がつかず、両者ともに疲弊して、徐々に業績が悪化していきました。
仮に、Aさんが新野菜クッキーや、真野菜クッキーの商標権を持っていれば、Bさんが同じ名前で野菜クッキーを販売することはできませんでしたし、本家・元祖争いも避けることができました。
このような本家・元祖争いがたまに起きています。
どの商品名を守る必要があるか、ぜひ一度考えられることをお勧めします。
<今日のまとめ>
1.商標権があると本家・元祖争いが避けられる。
お読み頂きありがとうございました。
2008年11月20日木曜日
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