こんにちは、
プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。
今日は、知財系の詐欺の話です。
特許権の価値は、分野によって異なります。
電子機器の場合には、一つ一つの権利は小さいですが、化学やバイオの場合には、一つの権利は非常に大きいです。
このため、電子機器の世界では、一つの権利で事業すべてを覆えないため、他者の権利を使う必要があります。
しかし、化学やバイオの場合には、一つの権利がとても大きいのです。
例えば、化学調味料の物質の権利を一つをとれば、他者がその化学調味料を使えなくなります。つまり、一つの権利によって、事業全体を守ることが可能になります。
このように、一つの権利がとても大きいため、ベンチャーキャピタルさんは、電子機器の特許を一つ持っていてもあまり評価しませんが、化学・バイオの特許を一つ持つと高く評価する習性をもっているようです。
しかし、その習性を悪用するベンチャーがいます。
例として、アーリーステージの技術系ベンチャーが行った詐欺の話をします。
その技術系ベンチャーは、バイオ系の特許申請中の発明を複数持っていました。
それに加えて、その技術系ベンチャーのプレゼンテーションは、とても上手でした。
このため、ベンチャーキャピタルは将来性を感じ、ベンチャーキャピタルはその技術系ベンチャーに数千万の資金提供をしました。
しばらくすると、技術系ベンチャーの幹部たちは、お金を持って消えました…。
ベンチャーキャピタルは、申請中の特許など、残された資産を売却することによって資金を回収しようと思いました。
特に、申請中の特許に期待をしていました。
ところが、残念ながら、その申請中の特許の技術は、申請前から知られている技術だったため、特許になる可能性が全くないものでした。
財務・法務・ビジネスのデューデリジェンスだけでも大変ですが、資金投入前に軽く調査すれば避けられたかもしれません。。。
<今日のまとめ>
1.資金を投入する前に知財デューデリジェンスをした方が良い。
お読み頂きありがとうございました。
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