こんにちは、
プロシード国際特許商標事務所弁理士の鈴木康介です。
今日は、HP社の中国進出に暗雲が。。。という話です。
HP社が、2月11日にTouchPadを発表しました※1。
iPadに対抗する製品として、期待が高まりますが、中国市場に進出する際に暗雲がたちこもってきました※2。
実は、”TouchPad”の名称を漢王科技※3が、2009年10月19日に”TouchPad”の商標を出願済みでした(申請7765248号)※4※5。
指定商品も「计算机(コンピュータ)」「便携计算机(携帯コンピュータ)」「笔记本电脑(ノートパソコン)」などをばっちり押さえています。
このため、HP社がこの名称を使うためには、漢王科技からライセンスを受ける必要があります。
しかし、漢王科技もE-bookや、タブレットデバイスを販売しているので、HP社がライセンスを受けるのは難しく、商品名を変えざる得ないと思います。
今回は、HP社の製品が発表される1年以上前に中国商標が出願されており、冒認の可能性が極めて低いと考えられます。
このように、中国企業も力をつけており、良い商品名の商標出願を多く行っています※6。
商品・サービスを世界中で同一のブランドで展開する場合には、事前に商標調査し、早めに商標権を取得することをお勧めします※7。
<参考>
※1 Touch Padの商品紹介のページ
※2 中国市場進出で憂き目に遇うHPのタブレットPC(人民日報2/14)
※3 漢王科技のサイト
※4 予備的査定がなされ、2011年1月27日に公告されています。
※5 公告から3ヶ月以内に異議申立をして、認められれば、取り消すことができますが、HP社の勝算は低いと思いますし、期間もかかります。取り消した頃に、ブームが去っていたら、意味もないですし。。。
※6 多区分出願が認められていないこともありますが、中国は2010年度商標出願件数世界一位です
※7 自分が以前勤めていた会社も、社名変更のために、世界中の商標及び変な意味がないか調べてました。
お読み頂きありがとうございました。
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執筆記事です。
中国における商標実務(発明2009年10月号 発明協会)
2011年2月15日火曜日
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