2008年9月29日月曜日

「アサヒビール」と「朝日新聞」は商標的には似ているか?商標の類否判断その1

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

朝日新聞とアサヒビール
よく似ている登録商標ですが、
似ていると思いますか?

音がそっくりだから、似ているんじゃないの?
といわれそうですが、
商標法的には、実は似ていません。

突然ですが、登録商標が似ているってどのように判断するか
ご存知ですか?

登録商標と似ているかどうかという判断が、
この世界では非常に重要になります。

例えば、他人の登録商標と似ている商標は登録されません。

それに、他人の登録商法と似ている商標を勝手に使うと、
商標権侵害となる可能性があります。

このように似ているかどうかの判断が重要なため、
我々弁理士は、他人の登録商標と、お客様が使う商標(使いたい商標)とが、
似ているかどうかを判断することを仕事にしています。

さて、どうやって似ているか動かを判断するかといいますと、
登録商標が似ているかどうかは、商標自体(名前、ブランド名)と、
その商標が使われる商品や、役務(サービス)との組合せで判断しています。

朝日新聞は、「アサヒ」を使っている商品が「新聞」ですし、
アサヒビールは、「アサヒ」を使っている商品が「ビール」です。

「新聞」と「ビール」とは基本的に異なる商品です。
それに、取引慣行を考えても「新聞」と「ビール」とが
ごっちゃにならないと思いますよね。

だから、似ていない登録商標です。
大体こんな感じで判断していきます。

まとめますと、似ている登録商標とは、

1.使っている商標自体が同じで、使っている商品や役務(サービス)が似ている
2.使っている商標自体が似ていて、使っている商品や役務(サービス)が同じ
3.使っている商標自体が似ていて、使っている商品や役務(サービス)が似ている

ということになります。

上の例では、登録商標「アサヒ」:商品「ビール」に対して、

1.商標「アサヒ」:商品「ウイスキー」
2.商標「旭」:商品「ビール」
3.商標「旭」:商品「ウイスキー」

がそれぞれ似ている商標となります。

このように、ある商標が、登録商標と似ているかどうかを判断しています。

お読み頂きありがとうございました。

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