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2009年3月24日火曜日

技術の移転と特許権の移転

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、技術の移転と特許権の移転の話です。

実は、技術の移転と、特許権の移転は異なります。

同じことと思われている方も多いと思いますが、厳密に言えば別の物です。

例えば、A社からB社への技術の移転は、B社がA社から技術を学んで、何かを実際にできるようにするということです。

つまり、技術移転を受ける側からすれば、技術の移転は、自社がその技術を使う能力を得るための契約です。

一方、A社からB社への特許権の移転は、権限なき第三者が特許発明を実施することを禁ずる権利が移転されることになります。

つまり、特許権の移転を受ける側からすれば、他人が法的にその技術を使えなくするための契約です。

このため、技術移転を受けたからって、他人が真似することを防ぐことはできませんし、特許権の移転を受けたからって、自社がその技術を使う能力を得るわけではありません。

この違いを注意されるといいと思います。

お読み頂きありがとうございました。

2009年3月6日金曜日

商標のライセンスは、信用を貸す!

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、商標のライセンスは、信用を貸す!という話です。

商標のライセンスと、特許のライセンスとは多少趣が異なります。

特許のライセンスは、特許権、つまり技術のライセンスです。

一方、商標のライセンスは、商標権のライセンスです。

何、当たり前のことを言っているんだ。と思われる方も多いと思います。

しかし、商標権は、マークに付いた信用を保護する権利です。

つまり、マークに付いた信用をライセンスするわけですから、下手にライセンスすると、信用を失う場合があります。

先日、元キャノンの丸島先生と飲んでいるときに聞いた話ですが、アメリカのA社がライフルの薬きょうメーカのB社に商標権をライセンスしました。

ところが、メーカBの薬きょうの品質が悪く、暴発するという事件がおこりました。

そして、その事件の責任を取らされたのがA社でした。

商標のライセンスを行うときには、信用を貸していることを念頭において、ご注意くださいね。

お読み頂きありがとうございました。

2009年2月18日水曜日

簡単に特許権を共有していいの?

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、簡単に特許権を共有していいの?という話です。

よく「共同研究したから共同で特許出願をお願いします。」とか、

「出願費用を負担してくれるから、共同で特許申請をお願いします。」といった話を聞きます。

知財部がしっかりしている会社さんの場合、出願書類の書き方でも自社に有利にしたりするので、共同出願しても良いでのでしょうが、知財部がない会社さんだと、どのように権利を作っていくか注意が必要です。

共同出願して、特許権が得られた場合、相互に自由に使えます(特許法第73条第2項)。

ただし、その特許権を売ったり、自由にライセンスできなくなります(特許法第73条第1項、第3項)。

このため、例えば、セットメーカと、部材メーカが共同で出願し、特許権を得ました。どのように特許権を取るかによってその後が変わります。

<特許権が、「完成品」の場合>

 セットメーカーは、「完成品」を自由に作れます。

 部材メーカ自身は、「完成品」を作っても良いのですが、作る能力がありません。必要な部品を他のセットメーカに売っても、他のセットメーカは「完成品」を作れません。

<特許権が、「部品」の場合>

 セットメーカーは、「部品」を作っても良いのですが、作る能力がありません。また、他の部材メーカに「部品」を作らせることができません。

 部材メーカ自身は、「部品」を自由に作れます。部品を他のセットメーカに売ってもかまいません。

<事例>

 例えば、トヨタとデンソーがハイブリッド車の電気制御部品の開発を共同でしたとします。

 特許法の観点から言えば、

 「電気制御部品をつかったハイブリッド車」で権利をとれば、トヨタが有利になります。

 「電気制御部品」で権利をとれば、デンソーが有利になります。

もちろん、実際には会社間の力関係など様々な要素が絡んできますが、特許法の観点から言えば、どのように発明を権利化するかによって、その後のビジネスの展開が変わっていきます。

このため、共同出願する場合には、ご注意ください。

お読み頂きありがとうございました。

2008年11月19日水曜日

中国で契約するときの注意点

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、中国で特許や商標など知財関係の契約するときの注意点の話です。

まず、第一に相手先の”正式な企業名”を確認する必要があります。

正式な企業名を確認するってどういうこと?と思われるかもしれません。

例えば、日本の一般的な感覚のような、アクセンチュア?株式会社アクセンチュア?アクセンチュア株式会社というような前株か後株といった企業名を確認するレベルの話ではありません。

実は、中国の一部の企業は、コロコロ会社名が変わります。

その理由の一つに、起業支援税制みたいなものがあって、設立から3年までは優遇制度があったと聞いております。

このため、知らない間に社名が変更されているため、担当者が自社の正式な企業名を知らない場合もあります。

担当者の言うことだけを信じて、裏を取らずに間違った社名で契約してしまうと、契約書の作り直しや、関係省庁への届け出を再度やり直す必要が出てきます。

そして、やり直しのためにコストがかかり、さらに、商品の市場投入が遅れるなど機会損失が起きてしまいます。

<今日のまとめ>
1.中国において契約する場合、相手の正式名を調べることが重要です。

お読み頂きありがとうございました。


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2008年10月20日月曜日

特許や商標のライセンス その3

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、特許や商標のライセンスの話です。

今までライセンスには、

 特許では、専用実施権、通常実施権
 商標では、専用使用権、通常使用権

という種類があって、

通常実施権や、通常使用権は登録しないと、基本的に第三者に対抗できないという話をしてきました。

今回は通常実施権についてもう少し書きます。

あるベンチャー企業(A社)を経営していたとしましょう。

自社の製品に、B社の特許Pを使うと競争力が高まることがわかりました。

しかし、A社には、B社から特許Pを買うほどの資金力がありませんし、B社は専用実施権も設定してくれません。

そこで、A社は、B社から特許Pの通常実施権によるライセンスを受けることになりました。

そして、A社は、B社から導入した技術によって、競争力が向上し、市場シェアも上昇し、売上ものぼり調子でした。

ところが、B社が資金繰りにつまり、特許Pを競合他社のC社に売ってしまったのです。

こうして、A社は、特許Pにかかる製品を売ることができなくなってしまい、売上が下がってしまいました。

数年後、A社は再度盛り返し、今度はD社から通常実施権を受けることになりました。

前回の失敗に懲りたA社は、今度は通常実施権を登録することにしました。

さて、通常実施権を登録する場合

 1.特許番号
 2.地域
 3.期間
 4.内容(どんな方法で実施するかや、質的、材料的な制限など具体的な内容に関わること)
 5.対価の額や、支払い方法など
 6.申請人

などの情報を書類に記載する必要があります。

A社は、これらの情報を書類に記載し、自己の通常実施権を登録しました。

こうして、A社は安心して、事業を継続していきましたとさ。。。となればいいのですが、成長に伴って新たな問題が発生してきました。

つづく


<今日のまとめ>
1.通常実施権は登録しないと、ライセンサーの倒産などによって影響を受けてしまう。

お読み頂きありがとうございました。


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2008年10月15日水曜日

特許や商標のライセンス その2

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、特許や商標のライセンスの話です。

昨日の話では、特許や商標のライセンスでは、専用実施権(商標では専用使用権)、通常実施権(商標では通常使用権)の2種類があるという話をしました。

じゃあ。何が違うの?というところをもう少し書きたいと思います。

専用実施権(商標では専用使用権)は、あまり使われていません。

使われるケースとしては、海外にいる権利者が日本の販売代理店などに設定しているというケースなどが考えられます。

専用実施権は、一つの範囲に一つしか設定できません。
例えば、日本中にある特許発明の専用実施権を設定してしまうと、権利者自身であっても日本中でその特許発明が実施できなくなってしまいます。

このため、専用実施権(専用使用権)を設定すると権利者自身も使えなくなる点がネックとなり、使われていないようです。

[自分が権利者の場合]

権利者側の場合には、簡単に専用実施権(専用使用権)を設定しないほうが良いかと思います。

[ライセンスを受ける場合]

ライセンスを受ける側の場合には、第三者に対して権利行使ができるので、専用実施権の設定を狙っても面白いと思います。
(多くの場合、断られますが、トライする価値はあると思います。)

もう少し、ライセンスの話を続けたいと思います。

<今日のまとめ>
1.自分が権利者の場合には、専用実施権の設定は避けたほうが無難である。
2.自分がライセンスを受ける場合には、専用実施権の設定を狙っても良い。

お読み頂きありがとうございました。


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2008年10月14日火曜日

特許や商標のライセンス その1

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、特許や商標のライセンスの話です。

知財(知的財産権)のライセンス契約をするという話があるとき、
法律上は、2種類のライセンス方法があります。

1.専用実施権(特許法などの用語、商標法では専用使用権)
2.通常実施権(特許法などの用語、商標法では通常使用権)

今日は最初から法律用語を出してしまってごめんなさい…。

1.専用実施権(専用使用権)について、

これはほとんど特許権や商標権と変わらない力を持つ権利です。

例えば、特許権者のAさんが、Bさんに専用実施権を設定した場合、

Bさんは、
「Aさん、私の専用実施権の範囲では、その発明は使わないでくださいよ!」
ということができるくらいの強力な権利です。

このため、誰がこの強力な専用実施権(専用使用権)を持っているかは
重要な事項ですので、特許庁に登録しないといけません。


2.通常実施権(通常使用権)について、

これは、権利者との約束によって発生する権利です。

例えば、簡単に言えば。
「Aさん、その特許使ってもいい?」
「いいよ。その代わり、100万円払ってね?」
「了解。振り込むよ」
というようなやり取りで発生してしまいます。

つまり、当事者間の約束であり、
権利者から権利行使を受けないというような権利です。

このような権利ですので、基本的には登録は必要ありません。

ただし、例えば、Bさんが通常実施権者だった場合、
特許権がAさんからCさんに移ったときには、
Cさんに通常実施権があると基本的に主張できません。

なぜなら、AさんとBさんとの約束であって、
Cさんは関係ないからです。

ただ、それだとBさんは不安定な立場なので、
Aさんの協力を得て、Bさんの通常実施権を登録すれば、
Cさんに対して権利を主張することができます。

明日に続きます。たぶん。。。

<今日のまとめ>
1.ライセンスは、専用実施権(専用使用権)、通常実施権(通常使用権)の2種類ある。
2.専用実施権(専用使用権)は物件的権利のため、登録が必要である。
3.通常実施権(通常使用権)は債権的権利のため、登録が不要である。
4.通常実施権(通常使用権)は債権的権利のため、第三者に対抗するには登録が必要である。

お読み頂きありがとうございました。


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