2009年4月30日木曜日

豚インフルエンザ(免疫の仕組み その2)

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、豚インフルエンザ(免疫の仕組み その2)の話です。

人間などの脊椎動物では、後天性免疫(獲得性免疫)という仕組みが備わっています。
(無脊椎動物でもホヤなどはもっています。)

後天性免疫とは、キラーT細胞による細胞性免疫と、B細胞から出る抗体による液性免疫とがあります。

細胞性免疫は、例えば、ウイルスに感染した細胞をキラーT細胞が破壊するという免疫です。

液性免疫は、例えば、血中のウイルスに抗体がくっついて、感染を防いだりします。

どちらの免疫も、一回ウイルスに感染するなど教育されると、次回感染した場合に、すばやく立ち上がり、体内でウイルスが増殖するのを阻害することができます。

このため、一回目の感染時には、後天性免疫が活性化するのに時間がかかるため、症状が重くなりがちですが、二回目の感染時には、後天性免疫が素早く活性化するので、症状が出なかったり、軽症だったりします。

そして、予防接種をしても一定期間後に後天性免疫が活性化するので、予防接種後にウイルスに暴露しても、症状が出なかったり、軽症だったりするのです。

このため、季節性インフルエンザの予防のためには、流行するインフルエンザに似た種類のワクチンを使って、流行する前に予防接種をする必要があります。

お読み頂きありがとうございました。

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2009年4月28日火曜日

豚インフルエンザ(免疫の仕組み その1)

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、豚インフルエンザ(免疫の仕組み その1)の話です。

人間には、免疫の仕組みとして、

1.先天性免疫

2.後天性免疫

の2種類があります。

1.先天性免疫

 先天性免疫とは、人間が生まれつき持っている免疫系です。
 
 補体系、炎症反応、貪食細胞、マスト細胞、NK細胞などが関与しています。

2.後天性免疫

 後天性免疫とは、細菌やウイルスなどの表面にあるマーク(抗原)を認識し、記憶する免疫系です。

 T細胞(ヘルパーT細胞、キラーT細胞)、B細胞などが関与しています。

 ちなみに、秋頃に打つインフルエンザワクチンの予防接種は、こちらの後天性免疫を得るために行っています。
 
お読み頂きありがとうございました。

2009年4月27日月曜日

豚インフルエンザ 序文

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、豚インフルエンザの話です。

週末から豚インフルエンザ(新型インフルエンザ)の話が、新聞をにぎあわせています。

なぜ、豚インフルエンザが怖いのか?を何回かに分けて書いていこうと思います。

<次回からの内容>

 1.免疫の仕組み
 2.インフルエンザウイルスの特徴
 3.インフルエンザと特許

お読み頂きありがとうございました。

2009年4月23日木曜日

特許権と、商標権及び意匠権の違い

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、特許権と、商標権及び意匠権の違いの話です。

特許権と、商標権及び意匠権とは、権利付与までのプロセスが少し異なります。

どのような違いがあるかわかりますか?

商標権及び意匠権は、申請書類を特許庁に提出すると、中身の審査が行われます。

そして、その審査の結果に応じて、権利が付与されたり、拒絶されたりします。

これに対して、特許権は、申請書類を特許庁に提出しただけでは、審査が行われません。

特許権の権利付与のプロセスでは、審査を行ってもらうために、審査請求(審査請求費用を支払う)手続きが必要になります。

つまり、申請書類を特許庁に提出しただけで、特許権が付与されるわけではないので、ご注意ください。

お読み頂きありがとうございました。

2009年4月22日水曜日

模倣対策マニュアル

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、模倣対策マニュアルの話です。

特許庁で、模倣対策マニュアルが更新されました。

以下の国に対するマニュアルが公開されており、今回は、中国・韓国・中東のマニュアルが更新されました。

-アセアン(平成19年度)
-アルゼンチン(平成13年度)
-インド(平成19年度)
-インドネシア(平成19年度)
-韓国(平成20年度)
-シンガポール(平成12年度)
-タイ(平成19年度)
-台湾(平成19年度)
-中国(平成20年度)(知財リスクマニュアル 平成19年度)
-中東(平成20年度)
-チリ(平成16年度)
-トルコ(平成18年度)
-パナマ(平成13年度)
-フィリピン(平成11年度)
-ブラジル(平成13年度)
-ベトナム(平成18年度)
-香港(平成15年度)
-マレーシア(平成12年度)
-メキシコ(平成13年度)
-ロシア(平成16年度)

特許庁の模倣対策マニュアルのページ

良くまとまっているので、参考になりますよ。

お読み頂きありがとうございました。

2009年4月21日火曜日

サンとオラクルが合併

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、サンとオラクルの合併の話です。

本日の日経新聞によれば、サン・マイクロシステムズとオラクルとが合併するようです。

新卒で入社した会社で、Javaや、MySQLと多少かかわりがありましたし、オラクルのアプリを導入していたので、多少感慨をもってこのニュースを見ていました。

さて、合併などで特許権が移転する場合には、特許庁に対して、移転登録手続きが必要になってきます。

この移転登録手続きの収入印紙代は、特許権1件あたり、3000円かかります。

サン・マイクロシステムズは、約400件特許権が特許権を保有しているようですので、約120万円の収入印紙代がかかります。

買収時に、この費用を忘れたという話を聞くこともありましたので、ご注意ください。

お読み頂きありがとうございました。

2009年4月16日木曜日

ナースオブザイヤー

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、ナースオブザイヤーの話です。

知人から、ナースオブザイヤーの話を聞きました。

このナースオブザイヤーとは、頑張っている看護師さんを投票して応援しようという運動です。

投票期間は、4月20日で、4月25日に表彰式が行われます。

現在、14名の看護師さんがノミネートされていますが、皆さん素晴らしい活動をされています。

もしもよろしければ、投票サイトをご覧いただき、投票いただけませんか?

ナースオブイヤー

お読み頂きありがとうございました。

2009年4月15日水曜日

商標法違反で逮捕

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、商標法違反で逮捕の話です。

毎日新聞のサイトによると
http://mainichi.jp/area/fukui/news/20090414ddlk18040553000c.html

4月13日に福井県で偽ブランドを販売していたショップの店長や、アルバイト店員が商標法違反で逮捕されたそうです。

商標法には、刑事罰(10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金)が規定されています

このため、韓国や中国で安いからと言って偽ブランドを輸入して、ショップで販売すると、逮捕される可能性があります。

知らなかったでは、すまされませんので、ご注意ください。

参考リンク

政府模倣品・海賊版対策総合窓口

お読み頂きありがとうございました。

2009年4月14日火曜日

発明の価値評価

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、発明の価値評価の話です。

発明(特許権)の価値評価って客観的にできると思いますか?

自分は、難しいと思っています。

特許権は、勝手に他人に自分の特許発明を実施してビジネスをしないでくれと言う権利です。

このため、その特許発明を実施する人には、価値が高いですが、実施しない人には、価値が低いです。

例えば、パナソニックにとって価値のある特許権が、ハウス食品にとって価値があるかとういうと必ずしも言えません。

このように、誰が特許権を持つかによって特許権の価値が変わります。

このため、特許権を評価するときには、誰がどのような文脈で必要とするかという要素を加味して考える必要があると思います。

お読み頂きありがとうございました。

2009年4月13日月曜日

伊藤元重教授の講演

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

金曜日に伊藤元重教授の講演を聞いてきました。

講演の覚書

<今回の景気の変化の背景には2つの構造がある>

1.先進国の少子高齢化

  日本でも急速に進んでいる。
  老後の資産運用のため、年金資金がBRICS、不動産、コモディティに投資した。

2.技術の進歩
  1929年の大恐慌では、自動車による技術革新が起き、バブルが起き、はじけた。
  今回も、2001年から2008年まではデジタル化が起き、特に、金融・流通がデジタル化の恩得を受けた。
  金融でブラックショールズの式などが実用レベルになったり、ウォールマートのSCMなどが例として挙げられていた。
  そして、デジタル化バブルが起き、はじけた。

<国によってダメージが異なる>

1.米国
  家計と金融がダメージがでかい。
  しかし、他の企業(Google, P&Gなど)は元気

2.日本
  輸出産業のダメージがでかい。
  内需産業は、そもそも弱かった。

3.欧州
  イギリス・アイスランド・東欧・ポルトガル・イタリア・ギリシャ・スペインが弱っている。

4.アジア
  中国・韓国・タイ・インドネシアなど比較的に元気
  中国は、政府レベルで、55兆円規模の対策をした(地方レベルでは、100兆円規模の対策をしたという話もある)。

<日本について>
1.産業構造の転換が必要

2.水・医療・食糧など内需産業も海外に進出したらどうか。  

<感想>

自分も、日本の食糧(例えば、野菜・肉)などは、中国でプレミア価格でついているのを見ています。
日本には、海外に対して競争力のあるものも多いので、上手く海外に売り込めればいいと思います。

お読み頂きありがとうございました。

2009年4月10日金曜日

商標登録できなくてもいい

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、商標登録できなくてもいいの話です。

先日、知人の経営者から商標の拒絶理由通知に対するコメントを求められました。

よくよく話を聞くと、

 「他人に登録されて使えなくなるのがやだ。」

という話だったので、

 「何もしなくてもいいんじゃないんですか。」

とお答えしました。

知人の拒絶理由は、自他商品等識別力がない(3条1項3号)、つまり、誰かが独占するとまずい名前というものでした。

このため、他人も同じ名前を商標登録することができないため、自由に使いたいという知人の目的は達成できるからです。

お読頂きありがとうございました。

2009年4月9日木曜日

日米のベンチャーキャピタルの違いなど

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、日米のベンチャーキャピタルの違いなどの話です。

昨日、一橋大学のマイケル・コーバー先生の講演を聞いてきました。

1.現在の市況では、新規資金投入は難しい

  ‐Finance riskが高まっている(Exitが難しい)。
  ‐Management riskは減っている(採用が楽なため)。
  ‐新規投資はしないVCもあるらしい。

2.日本VCと米国VCとでは、性質が違う

  ‐米国のVCは、支配力を欲しがる(投資機会を全て持っていこうとする)。
  ‐日本のVCは、分散投資をしたがる(リスク分散を図りたがる)。
  ‐資金の出し手の性格が影響しているようである。

お読み頂きありがとうございました。

2009年4月8日水曜日

サイエンスビジネスの挑戦

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、サイエンスビジネスの挑戦の話です。

先日、サイエンス・ビジネスの挑戦 バイオ産業の失敗の本質を検証するを読みました。

この本では、バイオベンチャーが、ITベンチャーと比較して、技術や知識のすり合わせが、なぜ上手くいかなかったかということが参考になりました。

<3つの理由>

  バイオベンチャー VS ITベンチャー

 1.すり合わせ型     モジュラー型

 2.暗黙知         形式知

 3.知財保護が不明   知財保護が明確

こう考えると、バイオの技術移転は課題が多いですね。。。

お読み頂きありがとうございました。

2009年4月7日火曜日

審判制度と裁判が融合?4月5日の日経の記事より

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、裁判と審判制度とが融合するという話です。

4月5日の日経に、侵害訴訟の最中に無効審判が多く行われ、裁判所と特許庁との2つの場所で審理が行われ、不都合があるので、裁判と審判制度とを一本化することが検討されている旨の記事が掲載されていました。

そこで、審判と裁判がどの程度行われているか簡単に調べてみました。

特許庁の審判(主だったもの)

 2007年の拒絶査定不服審判は、32,586件(特許)1,094件(意匠)1,808件(商標)です。

 2007年の無効審判は、284件(特許)24件(意匠)193件(商標)です。

知財高裁

 2007年の新規受任件数は、105件です。

仮に、一本化するならば、裁判官の数をかなり増員しないと、処理できないと思います。

今後、どうなるのでしょうか?

お読み頂きありがとうございました。

2009年4月6日月曜日

価値評価推進センターの副センター長に就任いたしました。

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今年度、日本弁理士会の価値評価推進センターの副センター長に就任いたしました。

価値評価推進センターでは、特許権や商標権などの知的財産権の価値評価手法を研究したり、評価手法を普及させるなどの活動を行っております。

微力ながら、全力を尽くして頑張りたいと思います。

お読み頂きありがとうございました。

2009年4月2日木曜日

リサーチツール特許データベース

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、リサーチツール特許データベースの話です。

リサーチツール特許とは、バイオ分野などで使われることの多い言葉です。

乱暴な言い方をすれば、モノクロや、ノックアウトマウスなど研究に必要な道具の特許のことです。

ライフサイエンス分野におけるリサーチツール特許の使用の円滑化に関する指針に基づいて、工業所有権情報・研修館が、リサーチツール特許データベースを昨日から提供し始めました。

リサーチツール特許データベース

ぜひ研究者の方も利用してみてください。

お読み頂きありがとうございました。

品種と特許の一元的検索システム(aff-chizaiサーチ)の稼働開始

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、品種と特許の一元的検索システム(aff-chizaiサーチ)の稼働開始の話です。

==以下、農林水産知的財産ネットワークさんからのメールの抜粋です===

● この検索システムで出来ること
 ①品種とそれに関連する特許が一つの入力窓口から、キーワード等で検索可能です。
  品種を加工した製品を開発する際に、関連特許があるかどうかを事前に把握することができます。
  この際、検索した品種に品種活用情報が入力されている場合は、品種利用の許諾の可否、セールスポイント等が表示されます。

 ②品種の検索
  知財課の品種登録データベースでの検索と同様ですが、これも①同様検索した品種に品種活用情報が入力されている場合は、品種利用の許諾の可否、セールスポイント等が表示されます。

 ③特許検索
  特許庁の特許流通データベースを利用しております。

● 使用に当たっての前提条件等
 ①品種登録データベースは現在登録が維持されている品種のみを対象
 ②品種活用条件等は平成20年9月時点で登録が維持されているものを対象として登録しているため、4月までに登録された品種や品種活用データの入手が出来なかった品種については品種活用条件の欄が空欄となっています。
 ③海外の育成者権者の品種については対象としませんでしたので、品種の活用条件は空欄となっています。

================================

このシステムで検索すると、一度に品種名と、ライセンス可能な特許権が出てきます。

便利そうなので、少し研究してみたいと思います。

aff-chizaiサーチ

お読み頂きありがとうございました。

2009年4月1日水曜日

アメリカでベンチャーが多い理由?

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、アメリカでベンチャーが多い理由の話です。

先日、人に勧められてシリコンバレー・アドベンチャーという本を読みました。

ロータスの創業者の弟分が、ペン入力のコンピュータデバイスを作るベンチャーを起業する話なのですが、技術系ベンチャーがアメリカで多い理由を考える良いきっかけになりました。

アメリカで技術系ベンチャーが多い理由の仮説

 1.ニーズがある。 

   事業の選択と集中が進んだ結果、新規事業の種が社内でなかなか育たない。
   このため、新しいビジネスをやりたい場合、社外でやる必要がある?
   また、大企業も新規事業の種として、ベンチャー企業を買う文化がある?

 2.インフラが整っている。

   流動性の高い労働市場があり、資金の出し手(本の最後のVC達の言葉が素敵です。)と、
   起業家向けの専門家集団とがいる。

現在のマクロ環境の変化によって、日本企業も選択と集中が高まり、NIH(not invented here)症候群から抜け出し、ニーズが出てくると思います。

あとは資金の出し手かなぁ。

アマゾンへのリンクです。
シリコンバレー・アドベンチャー―ザ・起業物語

お読み頂きありがとうございました。