2008年10月14日火曜日

特許や商標のライセンス その1

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、特許や商標のライセンスの話です。

知財(知的財産権)のライセンス契約をするという話があるとき、
法律上は、2種類のライセンス方法があります。

1.専用実施権(特許法などの用語、商標法では専用使用権)
2.通常実施権(特許法などの用語、商標法では通常使用権)

今日は最初から法律用語を出してしまってごめんなさい…。

1.専用実施権(専用使用権)について、

これはほとんど特許権や商標権と変わらない力を持つ権利です。

例えば、特許権者のAさんが、Bさんに専用実施権を設定した場合、

Bさんは、
「Aさん、私の専用実施権の範囲では、その発明は使わないでくださいよ!」
ということができるくらいの強力な権利です。

このため、誰がこの強力な専用実施権(専用使用権)を持っているかは
重要な事項ですので、特許庁に登録しないといけません。


2.通常実施権(通常使用権)について、

これは、権利者との約束によって発生する権利です。

例えば、簡単に言えば。
「Aさん、その特許使ってもいい?」
「いいよ。その代わり、100万円払ってね?」
「了解。振り込むよ」
というようなやり取りで発生してしまいます。

つまり、当事者間の約束であり、
権利者から権利行使を受けないというような権利です。

このような権利ですので、基本的には登録は必要ありません。

ただし、例えば、Bさんが通常実施権者だった場合、
特許権がAさんからCさんに移ったときには、
Cさんに通常実施権があると基本的に主張できません。

なぜなら、AさんとBさんとの約束であって、
Cさんは関係ないからです。

ただ、それだとBさんは不安定な立場なので、
Aさんの協力を得て、Bさんの通常実施権を登録すれば、
Cさんに対して権利を主張することができます。

明日に続きます。たぶん。。。

<今日のまとめ>
1.ライセンスは、専用実施権(専用使用権)、通常実施権(通常使用権)の2種類ある。
2.専用実施権(専用使用権)は物件的権利のため、登録が必要である。
3.通常実施権(通常使用権)は債権的権利のため、登録が不要である。
4.通常実施権(通常使用権)は債権的権利のため、第三者に対抗するには登録が必要である。

お読み頂きありがとうございました。


起業家支援プロジェクト DREAMGATE

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