2008年10月5日日曜日

青森事件、日本の地名を中国で守れるか?

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、青森事件の話です。

この事件は、中国のある企業が「青森」という商標を
野菜や果物などの商品について権利を獲得しようとして、
商標権を取得できそうになったけど、、
日本からの異議申し立てによって登録が認められなかったという事件です。

仮に、この企業が「青森」という商標権を取得していたら、
青森県の人が、「青森」という商標をつけてりんごなどを
中国に輸出すると、この企業の商標権侵害になるところでした。

中国人の知人の話では、中国でも食べ物の安全意識が高まっており、
日本の食品に対するニーズは高まっているようです。

そこで、この企業は日本の地名の「青森」を「野菜や果物」の
商標権として取得し、商売につなげようと考えたのでしょう。

中国商標法では、「一般に知られた外国地名は,商標とすることができない。」
(中国商標法第10条(8))
という規定があります。

しかし、残念なことにほとんどの日本の地名は、
一般の中国人には知られていません。

日本企業などと取引をしている人や、留学経験者を除くと、
一般の中国人で知られている地名は
「北海道」「東京」「名古屋」「大阪」ぐらいだそうです。

まあ、日本人も中国の地名をほとんど知らないでしょうから
それはそれで、お互い様かも知れませんが。。。

このように一般には知られていないが、
日本人や日本関係者にとって有名な地名が、
中国で商標権を取られる可能性が高いです。

日本の商標法と同様に中国の商標法でも先願主義
(つまり、特許庁に一番最初に出した人が権利を得られるという主義)
を採用しています。

このため、大事な地名は早めに中国に出願したほうが良いと思います。

<今日のまとめ>
1.日本の食品のイメージは良い。
2.中国商標も先願主義を採用しているので、早い者勝ちである。
3.日本の地名は知られていないので、早めに権利を取ったほうが良い。

お読み頂きありがとうございました。


起業家支援プロジェクト DREAMGATE

0 件のコメント: