こんにちは、
プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。
今日は、これって著作権侵害だ!と言う前に考えることの話です。
著作権侵害ってなんでしょうか?
例えば、TVドラマや、映画や、ゲームソフトをコピーする違法コピーをすることが挙げられます。
違法コピーは、複製権(著作権法第21条)の侵害になります。
この複製権は、「著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。」という権利です。
簡単にいえば、著作権者しか、その”著作物”(例えば、TVドラマなど)をコピーできませんよ。という権利です。
逆にいえば、”著作物”でなければ、コピーしても複製権の侵害になりません。
では、著作権法の保護対象となる”著作物”とは何でしょう。
子どもの絵・ウェブサイト上の転職情報・契約書のうち、どれが著作権法の保護対象となる著作物となるでしょうか?
著作権法では、著作物は、思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう(著作権法第2条1項1号)と定義されています。
つまり、著作物は、「思想又は感情」・「創作的」・「表現したもの」・「文芸等の範囲に属する」ものです。
まず、子どもの絵は、子どもの思いを独自に表現した絵ですので著作物として認められるでしょう。
また、ウェブサイト上の転職情報は、読者の興味を惹くような表現上の工夫が凝らされているので、著作物として認められるでしょう。
しかし、契約書は、思想または感情を創作的に表現したものではないとして、著作物性を否定された例もあり、一般的な契約書では、著作物性が認められにくいと思います。
怒って、著作権侵害だ!と言う前に、それが著作権法の保護の対象となる著作物となるか考えてみてもいいかも知れません。
お読み頂きありがとうございました。
2009年2月12日木曜日
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