2008年11月14日金曜日

外国特許出願(外国で特許権を取るためにその1)

こんにちは、

プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。

今日は、外国特許出願の話です。

昨日、日本と海外とでは、特許権が独立しているので、その国ごとに特許権を取らなければならないという話をしました。

では、海外で特許権を取るにはどうすればいいのでしょうか。

基本的には、その取りたい国に特許権取得のための申請(出願)を行う必要があります。

そして、海外で特許権を取るには、取りたい国へ直接出願をする方法、パリ条約の優先権による出願をする方法、PCTによる国際出願をする方法の3種類の方法があります。

1.直接出願

  この方法は、特許権を取得したい国(例えば、米国や中国)に直接出願をするというものです。

 ○メリット
  
  その国に合わせた明細書(申請書類)が作成できる。
  他の方法と比べて、必要な書類が少ない。

 ○デメリット

  国が多くなると費用がかさむ傾向にある。
  他の方法と比べると、早い者勝ちの世界では不利になりやすい
  (優先権制度を使っていないので、現実の出願日として扱われる。)

2.パリ条約の優先権による出願

  この方法は、パリ条約の優先権を用いて、特許権を取得したい国(例えば、米国や中国)に出願をするというものです。

 ○メリット

  その国に合わせた明細書(申請書類)が作成できる。
  第1国の出願日から1年以内に出願した場合には、第1国の出願日に出願したとして有利な取り扱いを受けられる。
  例えば、日本に平成19年12月1日に出願して、平成20年11月13日に中国に出願した場合、中国で平成19年12月1日に出願したとして有利な取り扱いを受けることができる。

 ○デメリット

  国が多くなると費用がかさむ傾向にある。

3.PCTによる出願

  この方法は、PCTに基づく国際出願を用いて、PCT加盟国に出願をするというものです。


 ○メリット

  出願の束となるので、一部の書類が共通化されるため、コストが削減できる。
  基本的に、全てのPCT加盟国に一回の手続きで出願することができる。

  EPCを利用することによって欧州で強力な権利を取りやすい。

  意思決定のための期間が長いので、標準化や、マーケットの動向によって柔軟に対応できる。
  (詳しく説明すると、一回分のテーマになるので詳細は別途書きます。)

  中国などでは補正ができるようになる。

 ○デメリット

  5カ国以下では、コスト高になる傾向にある。

<今日のまとめ>
1.海外で特許を取るには、直接出願、パリ条約の優先権による出願、PCTによる国際出願の3種類の方法があります。
2.それぞれ、メリット・デメリットがあるので、自社の状態に合わせて選択する必要がある。

お読み頂きありがとうございました。


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