こんにちは、
プロシード国際特許商標事務所
弁理士の鈴木康介です。
今日は、中国で知財を取る意味があるのかという話です。
中国はコネ社会だから、特許や商標を取るだけ無駄じゃない?
どーせ。模倣品が次から次へと出てくるし、外国企業に厳しい国だから、意味がないよ。
費用ばっかりかかって、実際使い物にならないんじゃないか?
などの疑問が中国で知的財産権を取ろうと思うときにありますよね。
しかし、中国で商標権などの知的財産権を取ることの意味は十分あると思います。
こんな事件がありました。
中国で、ヤマハ発動機株式会社(ヤマハ)は、指定商品「オートバイ」で、商標「YAMAHA」と、「雅馬哈」と、「Future」の登録商標を持っていました。
そして、「YAMAHA」、「雅馬哈」は、全国重点商標保護目録に掲載されていました。
このような状況下で、ある中国企業Aが、日本国内で、「日本雅馬哈株式会社」で登記しました。
(商標と商号は別の法律によって保護されているため、登録商標と同じ商号でも登録される場合があります。。。)
そして、日本雅馬哈株式会社は、中国企業Aとの間に「日本雅馬哈株式会社」と「日本YAMAHA株式会社」の会社名を使わせる契約を結びました。
そして、中国企業Aは、「日本YAMAHA株式会社」と「Future」と表示したエンジンとオートバイを販売しました。
まず、ヤマハは、日本の「日本雅馬哈株式会社」の商号の使用が、不正競争防止法による不正競争行為だとして、商号の使用禁止などを求め、裁判に勝ちました。
さらに、ヤマハは、中国でも商標権侵害で訴え、約830万人民元(約1億12百万円)の損害賠償請求を勝ち取りました。
例えば、山東省では、100元出せば、90分ぐらいマッサージが受けられますので、感覚としては、大体7億円ぐらいの損害賠償請求を勝ち取ったというところでしょうか。
このように、最近では中国でも日本企業が、現地企業を商標権侵害で訴え、勝訴し、かなりの額の損害賠償請求が認められるようになりました。
もちろんヤマハが中国でかなり宣伝活動をし、知名度を上げたこと、さらに、訴訟手続きなどが上手かったことなど様々な要因があったと思いますが、ヤマハが中国で商標権を取得していなければ、勝負すらできなかったはずです。
もしも、中国である程度の価格帯のビジネスをするならば、中国商標は必須だと思います。
<今日のまとめ>
1.最近では、日系企業が勝訴する判決も出ている
2.最近では、高額の損害賠償が認められている。
お読み頂きありがとうございました。
2008年12月7日日曜日
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